海から二里ほどに位置する、とある下総の里。
 一人の男が商いの帰り、辺りでは名の知れた万屋を訪れた。
 ひととおり品を見て回り惣菜コーナーに迫ると、男は、しめた、と思った。
 今まさに店員の手で半額シールが貼られるところだったのである。
(まだ寿司か……)
 目当ての惣菜類まで半額が届いてないと知るや男は一旦その場を離れアイスなどを吟味した。MOWのナチュラルチーズを後で籠に入れるなど決めつつ。(後にするのは少しでも溶けないため)
 頃合を見計らい、目標の品へ肉薄する。
 気がつけば男はシールを張る店員もろとも、すっかり客に囲われていた。
 サラダ類、手羽先唐揚げ……半額シールはいよいよ男の本命、豚ニラレバー炒めへ至る。品は二点のみ。
 男が手を伸ばすより先、左隣の中年女が手前の豚ニラレバー炒めへ手をつけた。
(む……ならば俺はこちらを――)
 と奥の豚ニラレバー炒めを手にしようとする次の瞬間、男は我が目を疑う。
 中年女が続けざま、手前の豚ニラレバー炒めを奥のへ重ねて二点とも奪取したのである。
(――なんたる屈辱!)
 男は先日味わった一口メンチより些か小さいビーフメンチカツと、腹いせにグレープフルーツ寒天を買い求めたという。いずれも半額品であった。

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mz ¥8948 購入者の感想:ずっと一人で寂しい思いをしてきましたが、mzが来てくれたおかげでそんなこともなくなりました。本当にありがとう!(20代・女性)

よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ となり次の瞬間にはアホかと思う。一人寝させませんぞ。